フィールドワークのご紹介(4年生)

フィールドワークのご紹介

 

10月8日から11日にかけて、
4年生が探究学習の一環として、フィールドワークに行ってきました。
この探究でのセントラルアイディア(テーマ)は「ものづくりは人々をつなぐ」としており、浜松の産業を中心に迫るという目的がありました。


事前の学習では「ものづくりには、作る人、運ぶ人、使う人がいる」「作る人は使う人のことを考えている」と考えていました。
その考えがどのように変容していったのか、フィールドワーク中の活動の写真と共にご覧ください。

【初日】
初日は楽器博物館へときました。
世界各国の楽器が展示されている「楽器博物館」では、地域によって材料も造形も違うことに気づいていました。
また、体験コーナーでは国語の授業で出てきた馬頭琴、ドラムセットなどを体験することができました。

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楽器博物館


振り返りでは、「楽器は人にどのような影響を与えるの?」という問いを投げかけました。
子どもたちは、楽器は人の気持ちを動かす、作る人と使う人をつなげることができる、ということを話していました。

【二日目】
二日目の午前は「浜松城」へ、午後は「スズキ歴史館」へ向かいました。
浜松城は戦後に建て直されたという歴史を聞くと、「なぜ建て直さなくてはいけなかったのだろう」、「浜松城はだれのためにあるのか」、という疑問を抱いていました。

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浜松城



スズキ歴史館では、なぜスズキでは車を作ることになったのか。

どのような過程を経て車は製造されるのか。

そもそもスズキの初代社長「鈴木道雄」さんが車を作るうえで、どのような気持ちをもっていたのか。 

「ものづくり」をしていく中で欠かせない、「歴史」と「気持ち」を捉えようとしていました。

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スズキ歴史館①

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スズキ歴史館②

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スズキ歴史館


【三日目】
三日目は2つのグループに分かれ、「静岡濾布(しずおかろふ)」と「昭和楽器製造」で見学を行いました。
昭和楽器製造は、現在日本で数少なくなってしまった、ハーモニカ専門の工房です。
そこでは昭和楽器製造のものづくりに対する理念と、人の手でハーモニカを作る大変さを聞くことができました。

インタビューでは、一度はやめようかと考えていたが、妻の「あなたがやらなかったら誰がやるんだ」と発破をかけられ、工場を続けたという社長の思いを聞いた子ども達は、ものづくりへのこだわりと、それをもちつづけることの困難さを感じていました。
機械やAIの発達目覚ましい現代で、それでも手工業にこだわる昭和楽器製造の姿勢は、子ども達にとって新しい疑問になっていました。

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昭和楽器製造

静岡濾布は浜松で伝統的に続けられている染め方の学習をしました。
和紙を使ったタオルを、自分達で工夫しながら染めていきます。
自分の思い通りになった人もいれば、予想と違う結果に驚いている人もいます。
三日間探究した「ものづくり」を実際に自分でしてみることで、新しい気づきを得ていました。

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静岡濾布(しずおかろふ)

【最終日】
最終日は青色発光ダイオードの開発に寄与した天野浩氏が名誉会長を務める「浜松科学館」で、様々な科学技術の最先端を学習することができました。
ここにはスズキが展示協力をしている車のアトラクションや、音に関するゾーンがあり、四日間に探究したものが集大成のように展示されていました。

サイエンス教室もやっており、まるでショーのように開催される実験に目を輝かせている子もいました。

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浜松科学館


四日間、子ども達は様々な視点から「ものづくり」について探究をしました。
振り返りでも、「ものづくりをすることで作った人の気持ちを伝えることができる」「使う人が使いやすく、笑顔になれるように工夫されている」など、実際に浜松で見聞きしなければ分からないことを話していました。
浜松で獲得した経験や知識を、これからの学校生活で役立てられるようにしたいと思います。

芸術鑑賞会

影絵劇団かしの樹による「100万回生きたねこ」を鑑賞しました。あの有名な絵本が影絵と美しい生演奏によって表現されました。

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影絵劇団かしの樹のみなさまに影絵の美しさや楽しさを紹介してもらったり、

影絵人形の動かし方を教わったりしました。また、舞台裏を見学させて頂き、

影絵が照明によってどのように作り出されるのかを見せて頂きました。

子どもたちは目を輝かせながら、一つ一つの影絵人形に見入り、実際に人形を

手に取って動かしていました。

 

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12月に恒例の望発表会があります。

劇には脚本、大道具、小道具など必要な要素がたくさんあります。

今回は子どもたちに演出の部分に目を向けてほしかったので、

影絵を鑑賞してもらいました。

劇を盛り上げる要素の一つでもある音楽の大切さも理解してくれたと思います。

 

 

フィールドワークのご紹介②(6年生)

前回の記事では、フィールドワークでの振り返りの様子を紹介しました。

kaichinozomi-daily.hatenablog.com

子どもたちはそれぞれが体験し、実際に見聞きした様々な要素を

関連付けて、フィールドワーク全体の軸となる深い学びを

得ることができたと思います。

 

では、子どもたちは具体的にどのような体験を経て

「深い学び」を得たのでしょうか。

今回の記事では、現地で体験したトピックの一つである、

浄土ヶ浜散策を紹介していきます。

 

浄土ヶ浜散策は、「浄土ヶ浜ビジターセンター」から

スタートしました。

ここで簡単にその後の行程や、散策するうえでの注意事項などを

確認したのち、班ごとの行動に移っていきました。

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班行動のため一人ひとり体験したことは

少しずつ異なりますが、ここではそれらのうちの一部を

紹介します。

 

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ビジターセンターでは、三陸地方の自然の豊かさや

動植物の特徴、地域のお祭りや工芸品についても

学習できるようになっていました。

子どもたちは事前学習で学んだことと照らし合わせながら、

初めて知ったこと、興味のあることについて

積極的に学習していきました。

 

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この写真は、浄土ヶ浜近辺の展望台での様子です。

高所に位置しているため浄土ヶ浜周辺の地形が

よくわかります。

事前に学習した「リアス式海岸」がどのような

ものなのか、実感をもって学ぶことができました。

 

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こちらは砥石浜での様子です。

砥石浜の周辺では海辺を歩くこととなり、

海の様子や近くの岩肌を観察することで、

波の浸食の結果や、理科で事前に学習した

流紋岩」についても理解を深められました。

 

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こうした様々な場所を経て、最後に浄土ヶ浜

辿り着きました。

浄土ヶ浜では、「さながら極楽浄土のごとし」と謳われた

豊かな自然を味わうことができたほか、

大海嘯(だいかいしょう)記念碑や宮沢賢治の歌碑も見られ、

様々な側面から学習をすることができました。

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「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、

実際に見て学ぶことは非常に重要です。

その意味で、現地に行って様々な事柄を

体験できるフィールドワークは、貴重な機会になります。

子どもたちには、振り返りで得た、

一人ひとりが追究した深い学びとともに、

今回得た経験を大切にしてこれからの学習に役立ててほしいと思います。

フィールドワークのご紹介①(6年生)

10月1日から4日にかけて、

6年生がフィールドワークに行ってきました。

岩手県釜石市を中心に三陸地方の地形や自然、

震災と復興について学習し、

子どもたちはそこから様々なことを学びました。

 

フィールドワークの中で

特に取り上げたい項目は、

一日の最後に行われた振り返りの時間です。

この時間を設けて、それぞれの学びの関連性を

考察することで、子どもたちの中で

今回のフィールドワークの軸となる考えが形になっていきます。

 

フィールドワークでは専用のワークブックを用いました。

その一部がこちらです。

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子どもたちはそれぞれの場所で学んだことを、

ワークブックを使ってまとめあげていきました。

 

それでは実際の様子を紹介します。

子どもたちははじめにお互いの学んだことを

共有しました。

同じ話を聞いても感じ方は子どもたちひとりひとり違います。

浄土ヶ浜散策のような歩き回る活動では

なおさらものの見方に違いが出てきます。

そうしたそれぞれの学びからの感じ方や、学習したことを

みんなで活かしていくために、一日の最後に

振り返りとしての時間を設けて伝えあっていったのです。

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その後、個人でワークブックにまとめていきました。

予め子どもたちそれぞれが考えていた疑問や、

それに対する仮説について検証し、得られた考察を記しました。

自分が得た経験だけでなく、仲間と伝えあい手に入れた

情報を使うことで、より考察が深まっていたと思います。

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最後に、その日一日を振り返って

何を学んだのか、学ぶためのグループ活動は

どの程度機能していたのかということについて

記述していきました。

冒頭で振り返りの目的について述べましたが、

この最後の部分が重要で、子どもたちは学んだ

それぞれのトピックをつなげて、

フィールドワーク全体で何を学んだのか

整理していきました。

 

望小学校では学んだそれぞれの項目を

独立させず、つなげて考えることを

大切にしています。

今回のフィールドワークでも、

子どもたちがひとつひとつの場所でもらったメッセージや、

自分で発見した学びを大切にしつつ、

それら全体を通して何を学び、どんな価値観を

得たのかということを重視しています。

こうした振り返りの活動を経て、

子どもたちには今後に活かせる学びを

しっかりとつかんでほしいです。

動物愛護週間

 9月20日から26日までは動物愛護週間でした。

 

「ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と

理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。」

動物愛護管理法第4条 (環境省ホームページより)

 

動物愛護週間の期間中、望小学校でもいくつかの催しが行われました。

 

現在も図書スペースでは動物愛護に関する本が展示されています。

 

「犬を飼うってステキですーか?」(動物愛護読本 東京都福祉保健局)の

 

教員による読み聞かせもありました。

 

www.fukushihoken.metro.tokyo.jp

 

「犬を飼うってステキですーか?」は、10年以上に渡って、えさやり、お散歩、

 

しつけ、健康管理など、犬の命を守る責任についてのお話です。

 

犬との時間をかけがえのないものだと思える人だけに

 

犬を飼ってほしいというメッセージが込められています。

 

犬以外のどんなペットも飼い主が世話をしなくなったら、死んでしまうこと。

 

愛情をかければ、ペットは純粋な愛を返してくれることにも触れました。

 

参加してくれた子どもたちは、みな真剣にお話に聞き入っていました。

 

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読み聞かせの後、子どもたちに感想を聞きました。

 

「最後まできちんと面倒をみないといけないんだね。」

 

「かわいいからって、簡単に犬を飼ったらダメなのが分かった。」

 

「里親にならなきゃ。」

 

参加した子どもたちには、命の重さ、大切さが伝わったようです 

 

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フィールドワークに向けた事前学習のご紹介(6年生)

10月1日から10月4日にかけて、

6年生が岩手県へフィールドワークに行きます。

自然環境や震災、そして復興について学習します。

 

その中で注目したいのは、班で行動する時間です。

望小学校では、自分から興味を持って

学習することを大切にしています。

そのため、大人主導ではなく

子どもたちが計画を立てて行動する

班での行動時間が多く割り当てられています。

今回の記事は、班行動に向けて計画を立てる

様子の紹介です。

 

子どもたちは次のようなツールを使って計画を立てていきました。

・予め図書やインターネットなどの

 情報資源を用いて調べてきたワークシート

・現地のフィールドガイド

iPad

これらのうち、ワークシートやiPadを使って、

フィールドワークの目的に沿った

行きたい場所の絞り込みを行いました。

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そして絞った場所を、

現地のフィールドガイドを用いて

地図に表していきました。

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こうした話し合いを行っていく中で、

子どもたちは

 

「何のためにその場所へ行くのか」

「そこへ行って何をするのか」

 

といった事柄について、繰り返し確認をしながら

議論を深めていきました。

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計画を立てる活動は、

現地でしっかりと学習するうえでとても大切です。

子どもたち自身が学習したいと思うことを

より深く学ぶためには、

事前の調査によって見通しを立てることが

必要不可欠だからです。

今回話し合いによって立てた計画を元に、

子どもたちには現地で

様々なことを学んでほしいです。

 

また、当日の様子は次回の記事に掲載します。

個人探究発表会のご紹介(6年生)

夏の個人探究発表会が行われました。

子どもたち一人ひとりが考え続けた探究活動は

いずれも興味深く、非常に実りの多い会になりました。

本日は、そのときの様子を紹介します。

 

個人探究発表会は、発表を数人が行い、その後

聞いていた人がフィードバックをしていくという形式で進みました。

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単に発表するだけではなく、フィードバックを受け取る活動が大切です。

子どもたちが探究してきた物事をより深めたり、

他の事象に応用していくためには、

自分の目線だけではなく、学年の仲間の力が不可欠だからです。

 

また、保護者の方にも参加していただきました。

大人の視点が加わることで、子どもたちの探究活動は

より幅広い観点から内容を深めることができます。

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では具体的にどのようにフィードバックをしていたのでしょうか。

次にそのことについてお伝えします。

 

フィードバックは、一人の発表者に対してより多くの意見が

寄せられるように工夫されていました。

当日、聞き手は4つのテーブルに分かれ、

発表者がそれぞれのテーブルに向かいました。

5分程度を一つの区切りとして、

それが終わると発表者は次のテーブルへと移動。

これを繰り返すことで、発表者は様々な視点からの

意見を聴き、自分の視野を広げることができました。

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このような形をとることで、子どもたち一人ひとりが

今後の探究活動をするための新たなヒントを得られたと思います。

 

先ほども述べた通り、様々な視点からの

フィードバックを受け取ることはとても大切です。

もらった様々な意見を活用して、

自分の興味のある事柄について

今回以上により深く探究していってほしいです。