のぞみ小の探究が目指すもの(4年生FWを例に)

4日間のフィールドワーク(FW)の様子を

ご覧いただきましたが、せっかくですので、

少しだけ、のぞみ小らしい学びについて、

ここで紹介しておければと思います。

 

このような紹介により、のぞみ小での学びを

他の学びと比較いただけると共に、

イメージを持っていただくチャンスかと思います。

 

今回、浜松の滞在先で、一般の方に、

小学4年生が何をしに来ているかをお話すると、

「体験学習ですね、いいですねー」

というようなコメントをちらほらいただきました。

 

「体験学習よりもさらに子どもたちは頭を使っています(笑)」

といった返事をさせていただくこともありました。

 

昨日までのブログでお伝えした通り、

子どもたちは様々な産業の訪問先に行きました。

勿論、事前の学習を9月からしていますので、

イメージがゼロではなく、それなりの先行知識を持っています。

 

それぞれの訪問先では、そういった自分の先行知識と

どんなことが聞きたいかという疑問、それに対する仮説を

持った状態で、子どもたちは話を聞いたり体験をします。

ですので、こちらで見ていても、的を射ない質問はあまりなく、

そして他のメンバーも、自分の仲間の質問への関心を持った状態で、

学びの場に参加することができます。

 

訪問先で得た情報は、みんなで同じ話を聞くこともあれば、

それぞれが個々に見たり聞いたりするような場もあります。

(今回だと、博物館系や科学館もそうですね)

これらは、グループワークでお互いに自分のものを共有し、

他のメンバーにとっては、自分だけでなく、

仲間の力を利用して、知識を獲得し、

考えるために必要なアイデアを得ることができます。

 

ここまでの話は、新しい学習指導要領で言うと、

「主体的で、対話的な学び」の要素が強いです。

では、ここに「深い学び」がどう入ってくるか。

のぞみ小では、これがまさに探究を中心に意識している

「キーコンセプトを用いて、概念的に考える」ところです。

 

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2つ、紹介します。

1つ目は「Change」です。

子どもたちには、ホテルでの振り返りで、上のような図を示しました。

 ①は、少ないものが多くなったり、だんだん広がっていったりする

 ②は、逆にだんだんと数が減ったり、狭くなっていったりする

 ③は、一度増えたり広がって、また少なくなったり狭くなったりする

こうした変化が、訪問先での話や見たこと、体験したことから、

何かなかったか考えてごらん、というようなイメージです。

1つの訪問先・トピックでしかあてはまらないことではなく、

複数の訪問先・トピックであてはまることが考えられれば、

それが「本質的なこと」「本物のこと」に子どもたちが

たどりついているんじゃない?なんて声をかけてあげています。

 

ゆかたがだんだんと着られるようになって生産が増えていたが、

生活の変化、海外の安い衣類の進出で、だんだんと生産が減る…

ハーモニカでも、学校で扱われるころまではだんだん生産が増えていたが、

その状況が変わり、鍵盤ハーモニカも出てきて生産がだんだんと減る…

これらは、③の絵のイメージがそれぞれの産業で当てはまることです。

こうしたことを考えると、

「他の産業でも同じようなことになっているのか?」

 「なぜ、そのような状況になるのか?」

「これから、どうしていくことがいいのか?」

というように、子どもたちはさらに自分たちでいろいろと考え、

他のことが知りたくなり、学習を進めていくようになるのです。

 

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もう1つは、

何かについて単独ではなく、それぞれのつながりや、

何かと何かの関係を通して考える「Connection」です。

ゆかたを作るのに、のり、染料、生地(綿花など)などは、

それぞれの場所(最近は中国や韓国など海外からも)から手に入れる。

それは、うなぎパイでも同じ。車の部品も同じ。

こうして、キーコンセプトを用いて

自分たちの学びの場での経験を振り返って考えると、

「どの場においてもあてはまること」が見えてくるのです。

 

細かいところにさらに入ってしまいますと、

ちょっとこの場での記載は適切ではなくなりますので、

今日はこのくらいにしておきます(長文で申し訳ありません)

 

いずれにせよ、こうした学び方が、

のぞみ小での「主体的で対話的な、深い学び」の実践であり、

日々、子どもたちが実践しながら、

そして現場では教員自身も研鑚を続けながら、

子どもたちが探究的に学べるための環境を

準備し続けているということを

少しでも感じ取っていただけたなら幸いです。