[PYP]のぞみ小でのドラマ

みなさん、こんにちは!

1学年担当の海老澤です。

 

今回は、のぞみ小の「ドラマ」についてお話していきたいと思います。

 

 

国際バカロレアの掲げるミッションの1つに、

「全人教育」というキーワードがあります。

 

全人教育とは、

”1つの知識や技能教育に偏することなく、感性や徳性なども重視して、

人間性を調和的、全面的に発達させることを目的とする教育”のことです。

 

 

のぞみ小では、このキーワードを大切に、

主要教科だけではない様々な分野について学ぶ機会を設けています。

 

その中から今回ご紹介するのが、このドラマという領域です。

 

ドラマは、大きくは芸術に分類される領域であり、演劇的な活動を通して、

表現力や創造性、協調性などを養うことを目的としています。

  

 

従来の演劇教育では、台本や演出が予め決められており、

それを”再現する”ことが目的とされてきました。

これは、舞台芸術の良さを知り、

表現力を身につけるための効果的な方法だと言えます。

 

しかし、主体性や創造性を育むという点においては課題があります。

 

その課題を解決するため、

のぞみ小では毎年12月に学芸会として「のぞみ発表会」を実施し、

異学年学級(ホーム)で台本、衣装、演出のすべてを児童が考え、

作り上げていきます。

 

他の学校の学芸会と比べると子どもらしさが目立つかと思いますが、

のぞみ小が最も重要視しているのは、

このイベントを作り上げる過程で身につくスキルや主体性です。

 

 

ここで、実践例を見てみましょう。

 

劇を作り上げる前に、

関係づくりや想像力をかき立てるためのウォーミングアップを行います。

 

「フラフープ」では指だけで支えたフラフープを水平をたもったまま持ち上げたり、

下げたりします。見た目以上に難しい動作です(笑)

 

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次に、ドラマでは即興表現も重視しているため

「ヒッチハイカー」というワークショップを行います。

 

ヒッチハイカーでは、ヒッチハイクで乗り込んできたキャラクターに合わせて、

即興的に会話を進めていきます(フラフープを持っている人は運転手さん役です)。

 

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そして、関係づくりや即興表現に慣れてきたら、

今度は短いストーリー作りをしていきます。

 

今回はあることわざをテーマに作りました。

4コマ漫画を紙に描いている児童、

iPadのプレゼンテーションソフトで作っている児童、

演技で見せようとする児童、表現方法は様々でした。

 

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すべて子どもたちが考え、実践するのぞみ発表会ですが、

はじめに彼らのモチベーションを高め

1つの目的に向かって協力するための意識づけは、

小学校段階では教員の力が必要です。

 

そのため、今回ご紹介したような活動を通して

少しずつ劇づくりのための基盤を養っていきます。

 

10月に入るといよいよ本格的に劇づくりが始まるため、

ホーム全体のやる気をさらに引き出したうえで、

子どもたちにバトンを渡したいと思います。

 

最後になりますが、今年はコロナ禍での実施になるため、様々な制約があります。

しかし、このような状況であるからこそ工夫を凝らし、

新しい学びを生み出していけたらと思います。

 

のぞみ発表会については、引き続きご紹介していきますので

どうぞお楽しみに!