日々の頑張りと開智望での学びとのつながり(受験生の皆さんにも届いてほしいメッセージ)

こんにちは、7学年担当の峰岸です。

 

2020年、非常に難しかった1年が終了しようとしています。

このブログ自体は様々な人に見てもらっていますが、

小学校6年生で、自分の力を中学受験という形で

チャレンジしようとしている皆さんも見ていると思います。

 

望からは、学校の様子をできる限り発信することで、

児童生徒の日々の成長の様子を通じて、

皆さんに新しい教育のイメージをお伝えしたいと考えています。

 

 

仮にいま、中学校の受験をしようと学習を進めている皆さんにとって、

その学びが先の未来につながるイメージが持てれば、

今よりもちょっとでも頑張れて、

自分の力がさらに引き出されるかもしれません。

 

ちょっとだけ、そんな皆さんの後押しをしたいと思います。

 

 

中等教育学校では、具体的な知識を獲得することで満足せず、

そうした知識を利用して、さらに自分たちで考えることを進めます。

 

歴史で覚えるいくつかの戦いについて、

何年にどこで誰と誰が戦ったかを暗記できれば

知識として獲得できたことになります。

 

そうやって覚えた戦いの背景(戦うことになった原因など)について

調べてみると、いくつかの戦いは、その背景が似ていることがあるかもしれません。

 

どんな時代でも、農地を確保したかったとか、

土地が自然災害が多い場所であれば、時代や場所に関係なく、

経済を豊かにするための攻防が繰り広げられたとか…

 

こうした共通する背景が見えてくると、

似たような環境・土地の特徴があるところでは、

同じような戦いが起こるかもしれないという仮説を導き出せるかもしれません。

 

自分の考えが正しいかどうかは、さらに他の戦いを調べると見えてきます。

そうやって「自分から意識して積極的に」調べれば、

ただ一方的に授業で説明されたり、教科書をなんとなく読むよりも、

圧倒的に自分の知識として身につく量・質が変わってきます。

 

常に、

「何かつながりがあるのではないか?」

「この付近の土地の様子はどうなっているのか?」

「もしかして、生活の様子を記録に残している遺産があるのではないか」

などなど、自分で知らぬ間に疑問を持つようになり、

それに対して自分の考えを持ちながら、さらに調べるようになり、

自分で断片的な知識をつなげようとし、実際につなげられて、

そして共通することや他のことにも当てはまることとして、

持っている知識よりも抽象度が高まった状態で、

自分の言葉、あるいは仲間の言葉を使って理解を獲得していきます。

 

つまり、知識を基にした「概念」を獲得していくのです。

 

 

どうでしょうか。

いま、自分たちが覚えようとしている知識は、

決してそれで終わりではなく、その後の望の学びでは「武器」になります。

 

算数だって同じです。

いまは、○○算のやりかたを覚えて、問題に適用しているかもしれません。

この○○算は、便宜上こまかくたくさんの○○算が存在しますが、

根本となる考え方は、どれも似ていることがあります。

 

旅人算、通過算、時計算…どれも、もとになる考え方は同じ。

これらを自分で「パターン」として認識し、自分で理解をまとめれば、

やはり一つ抽象度が高まった「概念」として理解していきます。

 

一つひとつの問題が一番具体的な内容。

その問題をいくつかまとめると「○○算」という解き方でまとめられる。

さらにそれらの「○○算」の中にもパターンが見えてくる。

そのパターンが、より抽象度が高まった「概念」として獲得できる。

 

中等教育学校に入れば、この概念を自分で扱えるように、

「文字」という道具が利用され、「方程式」という武器を手に入れる。

自分が考えて見出していくパターンを扱える武器と共に、

自分の理解を洗練していき、反復型の学びで仕上げていく。

 

この、パターンを自分で見つけていくのが、まさに「探究型の学び」です。

与えられたやり方を理解して問題に適用させるこれまでの学び方が、

さらにバージョンアップしていくイメージ、いかがでしょうか。

 

国語も、理科も同じです。

もっと言えば、体育や音楽、家庭科、図工(美術や技術)も同様です。

表現したり、ものをつくったりする具体的な活動を通して、

そこから自分たちが考えて、理解を深めていくのです。

手段が異なる様々な「表現」活動において何が大切なのか、

しっかりと考えながらスキルも身につけていくのです。

 

 

さあ、今頑張っていることに、無駄なことは一つもありません。

受験のために頑張っている皆さんも、冬休みの課題に取り組む在校生も、

すべての子どもたちにある「今」が、

その先にある大きな可能性につながっていることにわくわくしながら、

年末年始を充実した時間として過ごしてほしいと思います。

 

どうぞ皆さま、よいお年をお迎えください。