芸術鑑賞会『ロミオとジュリエット』

11月も終わりが近づき、
2学期もゴールが見えてきています。

先日も記載しましたが、
12月中旬(15日・16日)に
のぞみ発表会(異学年学級ごとの劇の発表会)
が行われます。

今回は、その2週間前ということとあわせて、
年に1回行われる「芸術鑑賞会」として、
 カンパニー・デラシネ
という団体の皆さんにお願いして
ロミオとジュリエット」を上演いただき、
あわせて劇に関するワークショップをしていただきました。

場所は、体育館。
大掛かりな道具などがあるかというと…
そんなことはなく、意外とさっぱり。
大きな白いブロックが、
場面ごとに様々なものとして姿を変える。
ものや動きを上手に使い、
細かく、時には驚かされる演出。

勿論、小学生が相手なので、
小学生がテンションがあがるような仕掛けもあり、
ひきつけられる1時間の内容でした。

また、その後のワークショップでは、
子どもたちが自分たちの劇をする上て、
難しいと感じていたりわからないことについて
質問をしていました。
また、ちょっとした動きやセリフのレクチャーも。

子どもたちにとっては貴重な時間となりました。
さてさて、この経験が、2週間後、
どんな形で劇にフィードバックされるのか。
今からとても楽しみですね!

【秋Excursion 4年生】専門家に学ぶ、本物に触れる…

ブログに載せる日々の活動は決まっていながら、

こちらへの更新が滞り、のぞみ小の様子をお伝えできず

申し訳ありませんでした(涙)

ここから、さかのぼったものも含めて、

どんどん掲載していきたいと思います!

 

さて、11月22日(水)、のぞみ小では行事がありました。

 「秋のエクスカーション」

春のエクスカーションは、異学年学級の懇親をねらいに、

校外でレクを中心に一日過ごしていました。

秋の場合は、各学年ごとに、探究の授業に関連して

校外のどこかに出かけて学びを深める一日です。

こちらでは、4年生のエクスカーションをお伝えします。

 

現在学んでいる探究の内容は、以前紹介したものづくりから変わり、

音楽やダンス(タイトルは、NO MUSIC, NO DANCE, NO LIFE !」)。

これらについて取り上げながら、子どもたちはその上位概念として、

音楽やダンスを通じて、自分たちで何を学ぶのか、

日々楽しく、真剣に学びに取り組んでいます。

 

そんな中でのエクスカーションは、まず午前中は、

「音楽とダンスのワークショップを実施しました。

音楽とダンスの専門家にお願いし、のぞみ小の学びについて伝え、

アレンジした形のワークショップを2時間強、提供いただきました。

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ウォーミングアップから、楽しすぎて、

担任の私も一緒に楽しんでました(笑)

いくつかのテーマを持ったワーク。

まずは「歌詞とダンス」。

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実は、これ、「津軽海峡冬景色」で踊ってしまう子どもたち。

私も正直予想外でしたが、子どもたちは、

まあそれはそれは一生懸命踊ること踊ること。

上野写真…ちがう、上の写真、わかりますよね?

「凍えそうなかもめ!」

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生歌つき!…と、そこがポイントではなくて

(でも実際にその場で演奏して歌ってくれましたが)

歌詞だけでなく、そこに音が加わり、子どもたちは踊ります。

 

次は、「イメージとダンス」。

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左は「ハンガー」、そして右は2人で表現した「タンポポ

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これ、わかりますか?

まさかの「電器屋に陳列された『扇風機』」!

顔の振動(首振り)が、写真では伝わらず、残念です(涙)

子どもたちのイメージ・発想は、非常に面白く、

それを全身で伝えることがまた、すごく新鮮です。

最後は「リズムとダンス」。

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4人一組で、別々のリズムで動きを覚え、

それぞれを同時に踊っています。これ、

 左の子は「タクシーを止めている」

 右の子は「電話を無表情で取ろうとしている」

 間の子は「部下を待ってイライラする」

 あと1人「お詫びの品をささげる」もいます。

みんな別のリズムで踊っています。

音楽に合わせて踊り、その後、失敬失敬と歩き回り、

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4人で「ネクタイ」を表現し、最後は、

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 「会社」を表現します(これはブラック企業の上司と部下?)。

そうなんです、一連の振り付けがすべて「会社」。

最後は自分たちでネクタイや会社の表現を考えています。

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音楽・ダンスの専門家に提供された、この素敵な時間は圧巻でした。

子どもたちはあっという間の時間を過ごし、

最後の感想ではいろいろ気づいたことがあったようです。

 

さあ、この楽しく充実した時間から、子どもたちは何を学ぶのか。

ここから、キーコンセプトを用いて、問いを投げかけ、

音楽・ダンスから、普遍的な上位概念として何を学ぶのか、

ここからは私たち教員も専門家としての力が試されますね。

 

 

写真が撮れませんでしたが、午後は、国立西洋美術館へ。

ガイドの方と一緒に作品を見て回りながら、

自分たちの感じたことを共有したり、

作品の見方に対する気づきを得たりしていました。

また、いま「北斎ジャポニズム」の特別展が開かれていて、

子どもたちは、北斎と西洋作品の影響・つながり(Connection)など、

本物の作品に触れながら、感じること・考えることを

あれこれ吸収していました。

 

芸術の秋、子どもたちは、学校内では得られない

貴重な経験を経て、そこから多くのことを学んでいきます。

そこには、思考を通じて認識を得る、のぞみ小のチャレンジがあります。

さてさて、どんな認識に子どもたちはたどり着くのか…楽しみですね!

保護者面談

学校生活をお伝えするという意味では、
たまにはこんなことも記事に。
(内容がら、写真はありません…)

学校では、年に2回、1学期と2学期に、
保護者の方に子どもたちの様子を伝え、
意見交換をする「保護者面談」があります。

のぞみ小だけではないことだと思いますが、
子どもたちの成長を後押しする上で、
学校と家庭が一体となって取り組むことが
どれだけ大切なことか。

言葉で書くのは簡単ですが、
本当にこのことを効果的に行うとなると、
情報共有を密に行いながら、
こうした面談の場を有効活用し、
効果的な教育を進めていくわけです。

勿論、公立学校では、さらに地域の後押しもあるでしょう。
のそみ小学校が、さらに地域や関係する人々を
どんどん巻き込みながら作りあげていく教育を
こちらでもどんどん発信できればと思います。

学校公開日(平成29年度 秋)

学期に1度、保護者の皆さんに
授業を後悔する日が設けられています。

先週のPresentation Dayのように、
保護者の皆さんが子どもたちの様子を
見ることができるチャンスはいくつかありますが、
学校公開日は、まさに授業の様子を見てもらいます。

こどもたちは、保護者の皆さんが来ると、
やはりテンションがあがり、
いいところを見せたい!
と張り切って授業に臨みます。

今回は、クラスの授業だけでなく、
異学年学級(ホーム)の様子も見てもらいました。
1か月後、12月中旬に、
ホームで作った劇の発表会(のぞみ発表会)
があるためです。

現時点での生のホームの様子を見てもらい、
ここから約1か月半の準備を経て、
どのように仕上がるのか、そして仕上がり以上に、
子どもたちがこの制作過程を通じて
どのように成長したか…
のぞみ発表会は、この
「子どもたちの成長」
に重きをおいています。

子どもたちが主体となって行うのぞみ小の行事。
さあ、ここから先、それぞれのホームは
どんな形で本番を迎えるのでしょうか…

Unit 3 Presentation Day

今年度は、2か月間学んだ探究の内容を
自分たち以外の人に発表する
「Presentation Day」
があります。

1学期に続き、2学期も行います。
今年度からの取り組みということもあり、
のぞみ小としても、試行錯誤の中で行っています。

国際バカロレアのPYP認定校で
こうした活動が行われており、
そういった前例を参考にしながら、
のぞみ小らしいPresentation Dayを模索中です。

各学年が様々な形で発表しています。
写真をご覧になりながら、
学びの成果を発表する雰囲気を
感じてください。

 

常総環境センター見学(4年生・社会)

4年生の社会の授業では、
2学期前半の内容として、
ごみについて考えました。

実際には、のぞみ小の場合、
1年生の探究で、資源について学ぶため、
低学年のうちに4年生の内容まで
踏み込んだ学びをすることになります。

探究においては、
子どもたちが、自分たちで学んだその先に
たどり着きたいセントラルアイデア
(中心となる概念)に向けて
関係のあるトピックをうまく組み合わせて
学びの効果が高まるように
学年団の教員で打ち合わせをしてプランニングします。

今の4年生は、2年生からの編入なので、
1年生の探究をしていないので、
社会のこのタイミングでごみについて考え、
実際のゴミ処理場である常総環境センターに
見学に行ってきました。

先日、浜松にフィールドワークに行ったばかりの4年生。
その時の学びを活かせることが、
1年生で学ぶこととの大きな違いでしょうか。

そうです。
私たちの学びは「先行知識」によって、
大きく変わってくるのです。

自分が知っていることをベースにして、
仮説を立てることができ、
その仮説を意識して調べることになり、
その結果と仮説を比べて考察することになり…
そうすれば、結果的に自分が得られるものは人それぞれ。

先行知識は、何も本当に知識だけでなく、
それまでに学んだセントラルアイデアだったり、
自分が理解している「思考の方法」だったり、
自分たちが使える「思考のためのスキル」だったり。

自分たちの学びが「構成主義的」であるのは、
こうした説明からご理解いただけるかと思います。

そうすると、浜松で学んだものづくりのこと。
ものをつくることと、ゴミが出ること、
なんだか表裏一体のような、
でも、共通点もあるような…

役割(Function)を考えると、ごみはそもそも
「何かの役割を終えたもの」ではないか?
でも、それがReuse・Recycleされると、
「そのものの役割がまた現れる」
ということではないか?

ごみを処理する上でも、ものづくりと同様に、
携わる人々のつながり(Connection)がある。
人のかかわりが減る(Change)ように、
ロボットやコンピュータが使われる。

どうでしょうか。
Key Conceptを切り口に、
子どもたちが気づくことがいろいろと出てきます…

一人ひとりの学び、多様で奥が深いですね…

のぞみ小の探究が目指すもの(4年生FWを例に)

4日間のフィールドワーク(FW)の様子を

ご覧いただきましたが、せっかくですので、

少しだけ、のぞみ小らしい学びについて、

ここで紹介しておければと思います。

 

このような紹介により、のぞみ小での学びを

他の学びと比較いただけると共に、

イメージを持っていただくチャンスかと思います。

 

今回、浜松の滞在先で、一般の方に、

小学4年生が何をしに来ているかをお話すると、

「体験学習ですね、いいですねー」

というようなコメントをちらほらいただきました。

 

「体験学習よりもさらに子どもたちは頭を使っています(笑)」

といった返事をさせていただくこともありました。

 

昨日までのブログでお伝えした通り、

子どもたちは様々な産業の訪問先に行きました。

勿論、事前の学習を9月からしていますので、

イメージがゼロではなく、それなりの先行知識を持っています。

 

それぞれの訪問先では、そういった自分の先行知識と

どんなことが聞きたいかという疑問、それに対する仮説を

持った状態で、子どもたちは話を聞いたり体験をします。

ですので、こちらで見ていても、的を射ない質問はあまりなく、

そして他のメンバーも、自分の仲間の質問への関心を持った状態で、

学びの場に参加することができます。

 

訪問先で得た情報は、みんなで同じ話を聞くこともあれば、

それぞれが個々に見たり聞いたりするような場もあります。

(今回だと、博物館系や科学館もそうですね)

これらは、グループワークでお互いに自分のものを共有し、

他のメンバーにとっては、自分だけでなく、

仲間の力を利用して、知識を獲得し、

考えるために必要なアイデアを得ることができます。

 

ここまでの話は、新しい学習指導要領で言うと、

「主体的で、対話的な学び」の要素が強いです。

では、ここに「深い学び」がどう入ってくるか。

のぞみ小では、これがまさに探究を中心に意識している

「キーコンセプトを用いて、概念的に考える」ところです。

 

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2つ、紹介します。

1つ目は「Change」です。

子どもたちには、ホテルでの振り返りで、上のような図を示しました。

 ①は、少ないものが多くなったり、だんだん広がっていったりする

 ②は、逆にだんだんと数が減ったり、狭くなっていったりする

 ③は、一度増えたり広がって、また少なくなったり狭くなったりする

こうした変化が、訪問先での話や見たこと、体験したことから、

何かなかったか考えてごらん、というようなイメージです。

1つの訪問先・トピックでしかあてはまらないことではなく、

複数の訪問先・トピックであてはまることが考えられれば、

それが「本質的なこと」「本物のこと」に子どもたちが

たどりついているんじゃない?なんて声をかけてあげています。

 

ゆかたがだんだんと着られるようになって生産が増えていたが、

生活の変化、海外の安い衣類の進出で、だんだんと生産が減る…

ハーモニカでも、学校で扱われるころまではだんだん生産が増えていたが、

その状況が変わり、鍵盤ハーモニカも出てきて生産がだんだんと減る…

これらは、③の絵のイメージがそれぞれの産業で当てはまることです。

こうしたことを考えると、

「他の産業でも同じようなことになっているのか?」

 「なぜ、そのような状況になるのか?」

「これから、どうしていくことがいいのか?」

というように、子どもたちはさらに自分たちでいろいろと考え、

他のことが知りたくなり、学習を進めていくようになるのです。

 

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もう1つは、

何かについて単独ではなく、それぞれのつながりや、

何かと何かの関係を通して考える「Connection」です。

ゆかたを作るのに、のり、染料、生地(綿花など)などは、

それぞれの場所(最近は中国や韓国など海外からも)から手に入れる。

それは、うなぎパイでも同じ。車の部品も同じ。

こうして、キーコンセプトを用いて

自分たちの学びの場での経験を振り返って考えると、

「どの場においてもあてはまること」が見えてくるのです。

 

細かいところにさらに入ってしまいますと、

ちょっとこの場での記載は適切ではなくなりますので、

今日はこのくらいにしておきます(長文で申し訳ありません)

 

いずれにせよ、こうした学び方が、

のぞみ小での「主体的で対話的な、深い学び」の実践であり、

日々、子どもたちが実践しながら、

そして現場では教員自身も研鑚を続けながら、

子どもたちが探究的に学べるための環境を

準備し続けているということを

少しでも感じ取っていただけたなら幸いです。