おとなのワークショップ開催報告

開智のぞみ小学校の「探究型の学び」を

多くの方に知っていただく方法の1つとして、

これまで類似の活動を実施しておりましたが、

今回、初めて Official な形として、

入学を検討している保護者の方に向けて

「大人のワークショップ」を開催しました。

 

学校説明会の場や体験授業では、当然ですが、

子どもたちが探究型の学びを体験します。

小学校の教育においては、

学校での学びを各ご家庭が理解し、

家庭と学校が一体となって

子どもたちの学びを後押しすることで、

子どもたちの成長は飛躍的なものとなります。

 

そこで、学びの対象を子どもではなく大人として、

実際にのぞみ小の学びを体験していただき、

説明会などでお伝えしている学びについて、

自分の肌で体感してご理解いただくことを狙っての開催となりました。

 

大人の皆さんも子どものように楽しめるコンテンツを用意できたので、

それこそ大人の皆さんが「主体的に」活動したあっという間の時間。

そこに、お互いに活動・議論・成果物の共有を通じて、

常に「対話的に」学ぶ時間がそこにはありました。

 

そして、のぞみ小が他校と比較して優位性のある

国際バカロレアPYPを導入する小学校として、

「キーコンセプトを用いた学び」「上位概念を考える学び」

こうした概念的に思考する時間を意識的に確保することで

アクティブラーニングとして形骸化して見落とされがちになる

「深い学び」を実践する様子を体験いただけたようでした。

※ 新学習指導要領を意識した学びをしていることをご理解いただきました

 

これから入学する子どもたちを持つ保護者の皆さんにとって、

自分自身が体験したことのない学び。

そこに子どもたちを預けることは、

1つのチャレンジかもしれません。

そんな姿勢を国際バカロレアの学習者像では

「Risk Taker」と呼んでいます。

 

小学生は、ほとんどの子どもたちがRisk Taker。

それを応援し続けられる環境であり続けたい想い。

のぞみ小の学びの場には、たくさんの魅力がつまっています。

学びあい・協働学習ができる、子どもたちの気持ちが充実した

学びの「場」として、のぞみ小学校、さらなる進化を目指します。

第2回 親子スポーツイベント

2月12日(月・祝)に今年度2回目となるアフタースクール「スポーツ教室(毎週水・金15:40~17:10)」を担当しているリーフラス株式会社主催の「親子スポーツイベント」を行いました。

1回目の「親子スポーツイベント」の様子はこちらから

 

 

参加者はスポーツ教室受講者の親子と今回はなんと!!

近隣の小学校の児童、保護者もご参加くださり、休日にも関わらず100名近い方々にお集まりいただきました。

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今回はチームで協力するだけでなく、親子対決も!!

短距離走ドッジボール・サッカーの3種目を中心に行いました。

 

短距離走では速く走るためには腕を振ることが大事であることを理解してもらうために色々なポーズで走りました。

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ドッジボールの準備運動。親子でのキャッチボールはとても微笑ましい雰囲気でした。

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が、ミニゲームになると一変、お互いが投げているボールに当たらないよう必死に逃げて大盛り上がり!!

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サッカーではボールをとられないよう必死にドリブルする子どもたちと、簡単には勝たせないようボールを奪いに行くおとうさん、おかあさん。

一歩も譲らない名勝負となりました!!

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最後はのぞみ小の児童VS地域の小学生の対抗リレー!

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応援にも熱が入りました。

その応援に応えるように子どもたちは自分の持っている力を最大限に発揮!!

子どもたちの全力で走る姿を見て、「以前より早くなったね」と、

子どもたちの成長を見て、感動していました。

 

盛り上がりは運動会にも負けないほどでした!!

2レース行い、両者譲らず1勝1敗の引き分け。

勝負の行方は次回に持ち越しとなりました。

 

休日に親子で一緒に汗を流して、いっぱい応援して楽しい時間を過ごすことができました。

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開智のぞみ小学校では、地域の方々との交流もとても大切に考えています。

これからも地域の皆様との関係を大切により良い学校運営に努めていきます。

 

次回の親子スポーツイベントにも多くの方にご参加いただけるようにしていきたいと思います。

 

1年間の集大成! 個人探究発表会の開催

のぞみ小学校の探究の学びは、

1年間、週6時間程度の「探究」の時間に

国際バカロレアPYPの導入に基づく、

教科を横断した6つのテーマを学ぶ以外に、

長期休暇期間を中心に、児童一人ひとりが

自分の興味関心を持つ内容を探究するという

「個人探究」の学びがあります。

 

昨年度は、夏休みの探究の成果を

9月上旬に発表し、そこで個人探究の活動は終了でした。

(つまり、半年「実質は夏休み」の個人探究活動)

今年度は、夏の探究成果の発表を中間発表会と位置づけ、

冬休みも継続して探究をする子はさらに探究を進めて、

その成果も合わせた形での発表会を今回実施しました。

 

実際には、冬休みの探究は宿題ではなく任意だったので

  最上級生の4年生は、冬休みの探究は

  夏の続きまたは新規の内容として必須で行いました…

夏の探究の成果に少し付け加えをして発表したり、

冬休みの成果を夏休みの成果からしっかりとつなげて発表したり、

一人ひとりが最善を尽くして当日に臨んでくれました。

 

いつも子どもたちに伝えていることですが、

ただわからないことを調べて

「わかったこと」として書くのではなく、

自分の先行知識からしっかりと仮説を考えて、

そして検証結果(調べた結果)と仮説を比べて、

仮説と検証結果の差異(理想と現実)について、

「因果関係・なぜ?」のつながりを子どもたち自身が

精一杯考えて、みつけてほしいのです。

 

人数の制約から、今回は全員が「持ち時間5分」

という短時間の中での発表でしたが、

子どもたちは伝えたいことをまとめて発表してくれました。

見ごたえのあった発表については、

3月3日(土)の「のぞみエキシビション」で、

発表時間を10分として代表発表することになります。

 

こちらのブログでも、その様子をお伝えできればと思います!

開智国際大学 教育学部生によるインターンの実施

開智学園の教育の充実が形となっているものの一つとして、

のぞみ小も関わっているのが、開智国際大学教育学部生徒の

学校現場への1年生からのインターンの実施です。

 

日本では、教育現場での経験が

教育実習のみという限られた時間だけで、

大学を卒業後に教員として現場に出ていく皆さんが、

求められる多様なスキルに対し、思うようにならない現実から、

子どもたちを育てる意欲が保てない…

なんてケースもよく見聞きします。

 

そんな中、大学1年生から現場の様子を

じっくりと見ることができる

このインターン制度の取り組みは、

早い段階から実情に触れ、

普段の大学での学びに対するモチベーションが上がり、

大学での授業で充実した理論の獲得につながり、

そして膨らんだイメージの中で現場に入ってくることができる…

という点で、学生にとっても小学校(現場の将来)にとっても

非常に魅力的な活動になります。

 

今回、校長からは、

インターン生は児童の立場で1週間様子を見てほしい」

という声かけがありました。

子どもたちの目線で授業を見ながら、参加しながら、

そして休み時間は子どもたちと遊びながら、

大学生にとっても子どもたちにとっても

満たされた1週間だったようです。

子どもたちにとっては、一緒に活動してくれる人が増え、

休み時間には一緒に遊んでもらい、それはそれは楽しそうで(笑)

ちょっと子どもたちが落ち着かなくなる…

そうすると、子どもたちの気持ちを落ち着かせるのに苦労する…

こんなリアルな様子もインターンの生徒は感じられたのではないでしょうか。

 

目の前のすべてが学びになります。

教員(大人)であろうと、大学生であろうと、小学生(児童)であろうと、

常に現状に満足せず、謙虚に受け入れて成長する姿勢・意欲・態度が

子どもたちを教育する現場に必要なものである…なんて思います。

 

頑張れ、未来の先生たち!

2学年 ウィンタースクール~新潟県南魚沼市六日町~

 2学年は1月24日~26日まで新潟県南魚沼市六日町にウィンタースクール(宿泊学習)へ行きました。ウィンタースクールは探究Unit5の活動の一環として行われており、Unit5は、「自然には脅威と恩恵がある。」というセントラルアイディアのもと学習を進めています。ウィンタースクールの活動を中心にして、自然の「脅威と恩恵」の二つの側面から迫っていきます。

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 LOI1は「雪の脅威と恩恵」として、雪と雪国に暮らす人たちの脅威と恩恵について考えました。ウィンタースクールでは、事前学習で雪や雪国の暮らしの脅威と恩恵についての仮説を立てたのち、「仮説の検証を行う」ことを目的として実施しました。

 

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 子どもたちは新潟の雪景色にまず衝撃を受けながら、「線路が凍らないように消雪パイプがいろんなところにあるね。」「ほくほく線はドアに開閉ボタンがあったけど、なんでだろう。」と事前学習で得た知識と実際の雪国を比べていました。初日・二日目の雪に触れる活動では、関東の雪と新潟の雪の違いを手触りや踏んだ感触、音から体感していました。

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 また、今年は雪遊びをたくさん取りいれることで、雪の楽しさと怖さを体験することができました。1日目は、雪に触れることが楽しくたくさん走ったり雪を投げたりする活動を通して楽しい時間を過ごしていましたが、2日目になると「寒すぎて外での遊びをしたくない。」「早く部屋に入りたい。」「急に吹雪いて、前が見えなくなったから怖い。」「部屋でいたら屋根から雪が落ちているのが見えて、人が下にいるととても危ないと思った。」などと、不安や恐怖を感じる声が聞こえてきました。普段、雪に接することが少ない子どもたちが、やむことなく常に降り続ける雪を見た素直な感想だと思います。

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 雪の恐怖を感じるとともに、散策で見学したり、ホテルの方に直接インタビューをしたりすることを通して雪国に暮らす人々の暮らしの工夫を聞き、雪とともに生きていくための知恵を知ることができました。

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 ウィンタースクール後は、川の恩恵と脅威について考えていきます。ウィンタースクールでは、雪国の脅威について体験することができましたが、3年生になって同じ場所にフィールドワークへ行くときに、今度は恩恵について体験できるよう今後の学習を進めていきます。

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様々なロボットを用いた授業支援②【4年生 理科】

一昨日のロボットの授業後、

子どもたちはふりこの様々な条件を変えて、

自分たちで実験をデザインして実施する取り組みを通じて、

ふりこの周期を変える要因について考えていました。

 

そして今日は、再びロボットの登場。

前回と異なる点として、以下のことを行いました。

 

前回からの進化点

・のぞじゃこくん(ロボットアーム)による

 ふりこの条件を変えた実験の実施と測定結果の共有

・各グループで行っている議論の活性化のために

 グループ数だけのぞハットさんの表情を用意し、

 議論の内容に応じて表情が変化して、

 一目見て周囲の議論の様子を認識することが可能

 

今回のロボットの様子も、また普段とは異なるものであり、

子どもたちは高い興味関心のもと、その様子にくぎづけでした。

 

また、こうしたロボットの様子をデザインした中で、

子どもたちが、自分たちの議論を深めたり、

学習内容を深めるうえで、

「ロボットが子どもたちに対してどのように支援できるか」

という点での検討も非常に面白いものでした。

 

今回は教師側のポジションにロボットを活用するものが

ほとんどでしたが、実際の利用の仕方からは、

実はそれぞれのグループのそばにロボットがいて、

子どもたちの学びを深めるための支援ができる

という振り返りをすることができました。

 

つまり、Teacher側の授業支援よりも、

これからのAI共生時代、ロボットの存在としては、

Student側に寄り添う形でロボットが存在することで、

主体的で対話的な深い学びの活動を

支援することができるのではないかという見解です。

 

「ロボットで学ぶ」だけでなく、

「ロボットを学ぶ」であり、そして

「ロボットから学ぶ」という時間を通じて、

さらなる学びへの興味関心、人工知能への意識を

より一層持ってもらえたなら、

この時間は素敵な時間だったのではないでしょうか…

 

 

様々なロボットを用いた授業支援①【4年生 理科】

昨年7月(半年前)に、4年生の探究の授業で、

Pepper(のぞぺーくん)がファシリテートした

エネルギーについての学習の様子を

こちらのブログでも紹介しました。

 

この取り組みは、ユーザがAIアプリケーションを構築する

プラットフォームを開発するプロジェクトの1例として、

学校現場でのロボット授業の実践を試みています。

その中で、のぞみ小としても、

ロボットが活躍できる領域、

人間だからこそできる領域が何なのか、

人間やロボットの特性も考えながら、

子どもたちが大人になって活躍する

「AI共生時代」に必要な力を身につけることにもつながります。

同時に、のぞみ小独自の探究的な学びに

こうしたAIアプリケーションが利用できる可能性についても

模索できるので、様々な効果が期待できる授業実践です。

 

今回は、ちょっと内容を先取りして、4年生ですが、

5年生の「ふりこのきまり」のところを扱いました。

 

前回までと類似点

・Pepper(のぞぺーくん)による進行

前回からの進化点

・表情が変わるロボット(のぞハットさん)による

 子どもたちの話を聞く体制(集中度)チェック

 → 集中していれば、次に進行させる

・子どもたちの議論の内容を音声で記録を取り、

 そのときのキーワードを後の議論で活用する

 

このような進化点の背景は、マイクやカメラを活用し、

子どもたちの会話や様子を用いて、次の展開を作る

という、前回までのロボットからの一方向的な働きかけ

(前回は、双方向のやり取りはのぞぺーくんの音声認識程度)

からの発展があります。

 

記録した子どもたちの様子から、それを表情を用いて

子どもたちにフィードバックしたり、議論などの音声情報を

文字にして子どもたちの対話のリフレクションに活用したり、

子どもたちの学びを深めるためのロボット支援として、

今回は前回を発展させた形を作ることができました。

 

子どもたちも、表情が変わるロボットや、

カメラで自分たちの顔の向きを認識して

その情報がロボットの動きに活かされているというような

仕組みをしることで、より一層興味を持っていたようです。

 

今日の内容から、明日、自分たちで実験をデザインして、

もう一度、ロボットを用いた授業になります。

次の授業がまた、楽しみですね!