[PYP]夏の個人探究発表会 -遊びのご飯について-
みなさん、こんにちは!
のぞみ小PYP2年生担任の江口です。
今回はPYPの「夏の個人探究発表会」についてご紹介します!
PYPが毎年実施している「夏の個人探究発表会」とは、
子どもたちが自分の好きなもの・興味のあることについて
テーマを設定して夏休み中に探究し、その成果を発表する学校行事です。
一人ひとり、設定するテーマはそれぞれです。
「敵からお城を守るため、どんな設備が備わっているの?」
「厳島神社の大鳥居について」「アレルギーについて」などなど……
彼らは「なぜ?」「どうして?」と感じたことや
普段から気になっていることについて探究しますが、
もちろん、はじめからしっかりと探究できるわけではありません。
子どもたちが疑問を持ったとき、すぐに答えを教えるのではなく
周囲の大人が「どうしてだと思う?」と問いかけることで
自分なりの考え(仮説)を言葉にし、その考えが合っているのか、
そもそも答えのあることなのかを調べる(調査・検証)…
そしてこの一連の思考過程を言葉や絵を通してアウトプット(発表)し、
聞き手から感想や意見、新たな疑問をもらうことで、
さらなる「なぜ?」が生まれる…
こうした学びの形を、のぞみ小では “探究サイクル” と呼んでいます。
このサイクルを通じて、子どもたちの「もっと知りたい!」
「じゃあこれはどういうことなんだろう?」の探究心が育まれるのです。
そのため、学年を重ねるごとにテーマは奥深くなっていきます。
PYP最高学年である5年生の扱うテーマは「名字はいつからできた?」
「進化と環境の繋がり」「人の気持ちと行動の関係」のように抽象的なものが多く、
興味関心の幅の広がりを感じることができます。
本日は、私が今年度担任をしている2年生のAさんについて紹介します。
私が担任になってすぐ、Aさんの昨年度のクラス担任に話を聞いてみたところ
1年生の時にはピタゴラスイッチのような装置を作り、
その仕組みについて探究をしたとのことでした。
そして、実際にAさんと話をすると
「今年、私は流しそうめんの探究をしたい」と話していました。
元々流しそうめんが好きだったAさん。
昨年度のピタゴラスイッチの装置をバージョンアップさせることで
流しそうめんの装置として使用できるのでは、とひらめいたそうです。
(自分のこれまでの学びや既得知識を発展させる気づきですね!)
私が「流しそうめんのなにが知りたいの?」と聞くと
Aさんは、「うーん……歴史とか?」と答えました。
私自身も流しそうめんの歴史を詳しく知らなかったため、
一緒にインターネットで調べてみました。
インターネットにはたくさんの情報が載っているものの
詳しく調べるとなると小学2年生にはかなり情報量が多く、
また、様々な説があるようでした(皆様もぜひお調べください!)。
2人で画面の前でウンウンうなりながら話していく中で、このような会話をしました。
私「Aさんは、流しそうめんのどこが好きなの?」
Aさん「楽しいところ?」
私「なるほど、確かにお箸ですくったり食べたりするの、楽しいからね」
Aさん「そう!遊びみたいなところが好き!」
この会話からヒントを得たAさんは、ついに探究テーマを決めました。
それは、「遊びのご飯について」です。
“ユーモラスな遊び要素を融合させた食事”のことを指しています。
Aさんは、夏休み中にYoutubeや
海外BBS(海外掲示板)を使ってインタビューをしたり、
D英会話教室の先生(何と6人も!)と話したりして、調査をしました。
本人曰く「参考になる本が見つけられなかった分、たくさんインタビューをして、
『13か国25個の遊びのご飯』を集められました」とのことでした。
Aさんは、インタビューして見つけた「遊びのご飯」を地図にプロットしたり、
実際に「遊びのご飯」の模型を作って展示したりしていました。
本人としても力作だったようで、
発表練習の時から自信満々に発表している姿が印象的でした。
迎えた本番でも、見学に来た1・2年生を相手に模型を見せたり
体験活動を交えたりしながら、いきいきと発表していました。
終わった後に本人にインタビューしたところ、
「やりきったことが嬉しかった。来年は風の力について探究をしてみたい。
国や地域によって台風のシーズンが違うことを調べたい。」と話していました。
今2年生であるAさんは、3・4・5年生として
あと3回の「夏の個人探究発表会」があります。
その貴重な機会を大切にして、
さらに学びを深められるようサポートしていきたいと思います。