夏期学童特別講座⑦ 溶解について
いよいよ今日で夏休みも終わり…
なんて書くと、書かれたほうも、書いたほうも、
さみしい気持ちになりますね。
さて、そんな夏休みの最後、
学童特別講座も今日で最終回。テーマは「ようかい」。
1年生もいるので、ひらがなで書いてみましたが、
お化けのほうみたいですね…違います、「溶解」です。
子どもたちは、何も触れず、まずは5種類の粉を、
いつも通り、よーく観察し、違いを意識し、予想しました。
いいですね、じっくり見ています。「意識して」見る、大切です。
そして、これらを水の中に入れて、よく混ぜてもらいました。
よく見ていただけますか?(皆さんも参加したつもりで)
いま、手前にある液体は、粉は見えなくなっている。
でも、奥でまぜている粉は、つぶが見えたままですね。
こんな感じで、粉を液体に混ぜて、見えなくなると、
こどもたちは「溶けた」と表現していました。
それを「溶解」ということを私のほうから伝えました。
そこで、質問をします。開智望ではよくある、揺さぶる質問。
つまり、考えるきっかけを投げかけます。
「溶けた」といって、見えなくなった粉は、どこにいったの?
「消えた!」「なくなった!」「いや、なくなってはいない、水の中!」
などなど…子どもたちの反応、いい反応ですよね。
さあ、じゃあ実際にどうなっているのか、これが今日のテーマです。
次に子どもたちは、また別の粉が配られました。
特にまだ何も正体は伝えられず…子どもたちはすぐにおいや見た目で探ります。
これに、ちょっとあたたかいお湯を入れて、こどもたちはよく混ぜます。
なんかさっきまで混ぜた時と様子が違う??
子どもたちも感覚を研ぎ澄ませて取り組みます。
そして、粉がなくなったら、混ぜるのをやめて、色水をたらします。
これを、水平に動かして、色水を混ぜます。
このまま置いておいて、この粉が混ざった液体がどうなるか、様子をみます。
今度は、液体のほうを、水ではないものにしてみます。
みんなの前に登場したのは「酢」。
海にある貝殻、別に溶けている様子はないですよね。
つまり、水の中にある貝殻と、酢の中に入れた貝殻。
はたして、どういう違いがあるか?
ちょっと写真が見にくくてすみません。
結構子どもたちにはインパクトがあるようでした。
酢の中にいれた貝殻は、シュワシュワと泡が出てきています。
つまり、貝殻が変化している、「溶けている」ようです。
このように、酢に溶けるものが、貝殻以外、
自分の身近にないですか?と聞いてみましたが、案外出てこない…
(チョークは片方のグループでやってみました)
そこで、いきなり見せて回りました。
そう、卵!
殻のまま、酢の中に入れています。
貝殻と同じように、卵の殻も溶けていくのです。
と、なると、このあとどうなるのか…気になるよね?
ぜひ、家でやってみて!と子どもたちに伝えておきました。
(実は、これ、3日以上かかるので、もっと私が早く用意すべきでした)
まあ、逆に、子どもたちはすごくやってみたそうでしたので、
これで家に帰ったら、酢と卵の要望をおうちの人にすることでしょう(笑)
おまけですが、最初の5種類の粉の中に、塩がありまして、
水に溶かした後、黒い画用紙にたらしておきました。
そのあと放置しておいて、最後の最後、様子を見ています。
こうして、液体に固体が溶けたあと、見えなくなった粉たちは、
消えるのではなく、液体の中に残っていて、
様子を変えてみたり、また出てきたり…こんなことを学んだわけです。
興味関心を持って、疑問を持って、実際に観察して、
一人一人が様々なことを感じ、学んでいく。
これが開智望の学びの基本姿勢です。
この夏は、子どもたちに算数や理科が楽しいということ、
身近なところに、興味関心次第でたくさんの面白いことがあること、
そういったものが伝わってほしいと願って実施した講座でした。
今日の内容もそうです。卵は自分の家でも試すことができます。
あ、さっきの色水をつけたものは「ゼラチン」が粉の正体です。
なので、こどもたちは、すべての実験が終わったころにもう一度みたら、
固まり始めていた様子に、またびっくりしていたようです。
これも、自分で家で試すことができますね。
身近なところから、たくさんの学びにつながるような働きかけを、
2学期以降もこどもたちに投げかけていきたいと思います。