【夏期学童特別講座】世界の算数をゲームで学ぶ!
8月に入りました。
学童に来ている子どもたち、元気いっぱいで
夏休みも過ごしているようです。
この夏休みは毎週火曜日の特別講座を担当しています。
特別講座としては3つ目、私の講座としては2つ目の今回は、
「算数」をメインにしてのコンテンツでした。
タイトルの通り、たくさんのゲームを通じて、
算数のパワーを知ってもらうというもの。
デジタルなゲームがたくさん出回る世の中、
子どもたちが夢中になるアナログなゲームもたくさんあり、
そこには算数の力により、勝ち負けに関して面白くなる要素が
たくさんあります。
今日は、いくつかのゲームを通じて、そのことを感じてもらい、
ゲーム、そしてその先に算数を学ぶことが
楽しくなるような講座になればと思い、考えたものです。
まず、今日の準備運動は「魔方陣」。中国が起源のようです。
子どもたちは、3×3の魔方陣からトライ。
上級生に、ヒントを出してもらい、1年生も一生懸命考えます。
足し算を学んだばかりの1年生は、
こういうゲームを通じて、足し算を自然に楽しみながら
たくさんできるのは、力もついて、一石二鳥ですよね!
そして、子どもたちには、4×4や、5×5の魔方陣も渡しました。
当然、中学生になると、3×3は、どの列も15。真ん中が5。
4×4は、どの列も34、5×5は、どの列も65。
こういう計算が、方程式を使って求められますが、
小学生だって、じっくり思考すれば出すことができます。
今回は、15のところや34のところは、3、4年生に質問しながら
出してもらいましたが、こうして異学年で取り組む面白さも、
のぞみ小では味わうことができて、魅力の1つです。
さて、準備運動(とか言いながら、子どもたちはずっとやりたそうでした)
のあとは、数取りゲームをしました。
1から30まで、2人で順番に言っていく。
一度に言っていいのは、連続した数が「3つ」まで。
これ、皆さん一度はやったことがありそうですよね?
夢中に、向かいの子と戦っています(笑)
こうしてゲームをしながら、
勝ったり負けたりする中で、何かに気づくかどうか?
・勝ったとき、どこで勝ったと確信したか?
・負けたとき、この数字が言いたかったのに…と思ったか?
こんなことを振り返り(Reflection)ながら、
自分と相手の立場(Perspective)になって、
ゲームの様子を分析し、「この数字を言えば勝てる!」
に気づいてもらいました。
そして、40までにしたり、連続する数字を「4つ」にしたり…
その中で、自分たちが考えた勝つための方法(必勝法)が
どのように変えればいいかを考えてもらいました。
ここに、算数としての規則をみつける面白さがあるわけです。
次に、これまた中国で始まったとされるゲーム「NIM」。
2つや3つの石の山から、石を取っていき、
最後の石を取った人が勝ち、というゲーム。
子どもたちには、山を列に変えて、
紙面上でゲームをしてもらいました。
最初は2つの山(列)でやってもらい、
次に、3つの山でゲームをしてもらいました。
なんとなく、2つの山だと、どうしたらいいか、
子どもたちなりには、気づいたような、気づかないような…
3つの山になると、時間の中では、
ちょっと必勝法というところまではいかなかったようです。
私と勝負!として、何人かの子に前に出てきて
戦ってもらいましたが、みんな撃沈(涙)
算数(数学)的には、必勝法があり、
これは子どもたちがもう少し成長するのを待ちながら…
でも、こうした今日のゲームがきっかけで、
いろいろ考えてくれると、こちらとしても嬉しい限りです。
最後は、デンマークやアメリカで始まった、HEX。
ひし形の向かい合った辺を、自分のマークで埋めていきます。
埋めていく1つ1つのマスが六角形(だからHEX)。
これはやったことのある子がほとんどいなかったようで、
結構子どもたちが夢中になって戦っていました。
最初は、中のマスが4×4からはじめて、
5×5、6×6まで、子どもたちにやってもらいました。
実際には、これも、必勝法という形があります。
こどもたちは、このゲームはなんとなく
「先行有利」ということがイメージできたようですが、
はたして…
というわけで、特に後半の方は、子どもたちには
純粋にゲームを楽しんでもらい、
その裏に隠れている算数的な規則・法則については、
余韻を残す形で、さらに自分たちでゲームを楽しみながら、
探究してほしいという願いをこめて、この講座を終えました。
実際、子どもたちには、4つ山のNIMや、
7×7~11×11までのHEXを持ち帰ってもらっています。
おうちで、兄弟やお父さんお母さんが、
戦いを指名され、必死になっている夏休みかもしれません(笑)
でも、そうやって、大人も子どもも楽しみながら、
算数の学びができること、本当に素敵なことだと思います。
暑さに負けず、知的な熱がたくさん出ることを願って…